ハチミツができるまで

蜂と蜜房

ハチミツとは

ハチミツとは蜜蜂が採取した花蜜を巣箱に貯蔵した天然の甘味料です。蜜蜂は体内にある「蜜胃」という蜜袋がいっぱいになるまで、花から花へと蜜を集め、それを巣に持ち帰ると、巣の中で働いている蜜蜂に託します。リレーのように蜜蜂から蜜蜂へと渡り、最後は蜜房に貯蔵されます。この過程で、花蜜に蜜蜂の体内にある酵素が加わり、ブドウ糖と果糖に分解されます。蜜房に蓄えられてからも、蜜蜂たちは羽で風を送り、巣の中の温度と湿度を一定に保ちながら花蜜の水分を蒸発させ、濃縮させていきます。
こうしてハチミツが出来上がると、蜜蜂は蝋(ろう)の膜で蜜房を密閉します。そしてその時がまさに採蜜の時期となります。

蜜蜂の仕事

蜜蜂は巣で女王蜂を中心に大集団で生活をしています。働き蜂は全て雌蜂で、集団生活に必要不可欠な役割をそれぞれ果たしています。
蜜蜂の仕事というとすぐに採蜜を思い浮かべますが、その大役を果たす前に、働き蜂は巣の中での仕事に従事しなくてはなりません。
"内勤"の働き蜂の仕事は幼虫の世話、巣のメンテナンス、採集した花蜜をハチミツにする作業、巣周辺の環境の探索、入り口で見張りなど多岐にわたります。
花が咲き始めると、"外勤"の働き蜂のうち、数匹が探検隊として蜜源を探しに行きます。良い蜜源を見つけると、仲間にダンスで場所を教え、集団で赴き、蜜を集めるのです。

蜜蜂
ハチミツ

蜜源から戻った働き蜂は,その蜜を巣の中で貯える働き蜂に受け渡します。
こうして様々な役割を担う働き蜂ですが、唯一生殖活動は行いません。これは女王蜂と数匹の雄蜂の役目です。

働き蜂が短い一生を通じて集めることのできる蜜の量は、ティースプーン1杯(約10g)分と言われています。ハチミツは蜜蜂が私たち人間にもたらしてくれる、貴重な自然の産物であるといえます。 また、蜜蜂は果樹を受粉させるので農業関係者からも必要とされています。

養蜂家の仕事

働き者の蜜蜂が良い花蜜を集めることができるようサポートしているのが養蜂家です。
養蜂家の仕事はハードです。巣箱と共に花を追いかけて各地を転々と渡り歩く体力や、自然相手の仕事なので、予期せぬ事態にすばやく柔軟に対応できる能力も問われます。
巣箱を設置する先の果実園や農園と円滑なコミュニケーションをとることも大切な仕事です。そして何よりも蜜蜂たちの良きパートナーでなくてはなりません。

養蜂作業
養蜂作業

蜜蜂はとてもデリケートな生き物です。常に良いコンディションで活動ができるよう、その健康状態、精神状態(ストレスに弱いので)にも気を配ります。巣箱周辺に汚染源や風のない環境を作り、冬などの緊急時には食糧の補給を行い、また蜜蜂たちでは行えない巣のメンテナンスも行います。

このように蜜蜂と養蜂家の共同作業があってこそ、ハチミツが私たちの食卓に届くのです。